■有機米を栽培するにはうってつけの気候と広大な土地

ランドバーグ農場が位置する北カリフォルニア リッチベールは日本の東北地方くらいの緯度にあたります。農地は、150,000エーカーという広さです。東京ドーム約1300個分という広大な面積です。想像してみてください。いかに大きな農地であるかを。

ここは、お米に丁度良い湿度と日照時間を与えてくれます。カリフォルニアの他の土地と違い、粘土質で水持ちが良いため水田作りに適しています。そして、お米を栽培する春から秋の間は、乾燥していてほとんど雨が降らないために、病害虫の被害が少なく農薬を使用する必要がありません。この点からも、日本の高温多湿と異なり、オーガニック米を栽培するのにいかに適した土地かわかると思います。

ランドバーグ農場で使用する水はネバダ州との境界にそびえるシエラネバタ山脈の雪解け水を運河を引いて使用しています。途中には大きな町も工業地帯もありません。水は汚染されずに田んぼに届きます。また、一部の田んぼでは井戸を掘って井戸水を使っています。水質は公的にしっかりチェックを受けていますし、オーガニックの基準もクリアしています。

隣接する水田から水が土を通じて混じるという心配をされるかもしれませんが、日本の畦道という感覚とは大きく異なり、その間隔は、10数メートルは開いています。広大な水田への種蒔きには飛行機を使うので、この道は、滑走路として使われたりします。

■日本と同じ水稲栽培、日本との違いは田植をしないこと

日本と同じように水稲栽培されています。日本の栽培方法と異なり、「田植」をしません。日本では苗代にあらかじめ苗を作り、それを田んぼに植えていきますが、ランドバーグ農場では、田んぼに直接種を蒔きます。(アメリカの農場ではこちらの方法で種を蒔きます。この方法は”ちょくは”といい日本でも大規模農家で導入されています)

なぜ、田植をしないかと言うと、農地が広大で田植をするのが大変だからです。苗が小さく病気に弱い間は大切に育て、そして田んぼに植えてからも病気になりにくいように株間を十分にあけて育てるために田植をするのですが、農地が広いため、田植をする労力と収穫量の経済的バランスを考慮すると種蒔きの方が効率的なのです。農地が広く余裕があるので、十分な休田期間が確保できます。

■種蒔きは4月から5月、収穫は9月から10月と日本と変わりません

種蒔きは4月から5月、収穫は9月から10月で、この点は日本と変わりません。

ただ、秋になると風が強く吹くことが多くなります。稲が倒れてしまわないうちに刈り取らなくてはいけないので、神経を使います。広大な田んぼの収穫には時間がかかります。巨大なコンバインで刈り取りますが、最適な時期を逃さず刈り上げるために休むことなく刈り続けます。

■田んぼを休ませる

カリフォルニアでは、一つの農地に7年間で3種類以上の作物を栽培しなくてはならない規則があります。そして、連作をしてはいけないという決まりもあります。ランドバーグ農場ではこの基準を守ることはもちろん、それ以上の取り組みで地力を上げる工夫をしています。70年間の自然農法で得た経験を活かし、その田んぼがどうしてたらもっと元気になるかを考えて、何を植えるか、また、どのくらい休ませるのかを決定しています。長い時は、2~3年も休ませることもあります。

■肥料・農薬について:化学肥料は使いません。基本は稲わらと緑肥、これで田んぼは豊かな生態系に

稲わらについて-稲刈りが終ると、大量のわらが田んぼには残ります。これを焼却して、灰にしたらいかにも良質な肥料になりそうな気がしますが、ランドバーグ農場では焼却はせずに土に返します。燃やすと有機物である稲わらは炭素を中心とした無機物になってしまいます。有機物が自然の力で時間をかけて少しずつ分解されてできた無機物が最良の肥料だと考えているのです。冬の間に微生物に分解させて肥料になります。こうすることで、田んぼにすむ微生物が死なずにすみます。田んぼにわらを敷き詰め、水を張った冬の田んぼは野鳥の越冬地にもなります。田んぼは、食物連鎖をともなう豊かな生態系になるのです。
大量の鳥の糞も分解されて良い肥料になります。

緑肥について-休田中に植えられた作物が緑の肥料として田んぼに地力を与えます。ランドバーグ農場では、現在、お米を作る田んぼで大麦、ソラマメ、カラスノエンドウ(ベッチと言います)も栽培しています。これらは十分に成長させそして種蒔きの直前に刈り込み、土に漉きこんで肥料にします。マメ科の植物は空気中の窒素を取り込み根っこに蓄積させることができます。そのために土地に効果的な窒素を与えることができるのです。 なによりも、ランドバーグ農場では、長年の土作りへの取り組みなどを通じて、雑草よりも元気で健康な稲を作っていますので、これまで、農薬を使用しなくてはならない状況になったことはありません。

■雑草との戦い:ランドバーグ農場の農法は、最新の科学技術を駆使した先進的な農業です

気候・風土の特徴から病害虫の害はほとんどありませんが、雑草はとてもよく育ちます。この雑草との戦いが最も苦労して いることです。除草剤は使用できないので、いかに稲が雑草より元気に育つかが、重要になります。水を深くして雑草が小さいうちに窒息させ枯らしたり、稲が植わっていない部分をGPS(人工衛星)を使用して割り出し、そこを耕すことで雑草を駆除します。有機農法というと、”昔にもどる”というイメージを持たれることがありますが、ランドバーグ農場の農法は、最新の科学技術を駆使した先進的な農業なのです。

■収穫後の保管について:お届けしたお米がどのようなお米であるか、すべてトレースできる

ランドバーグ農場では、オーガニック米、17種類の品種を栽培しています。その収穫されたすべてのお米を自社で管理しています。貯蔵施設(サイロなど)は巨大です。17種類の米が混ざらないようにする必要があり、乾燥工程も厳密なタイムスケジュールで管理しています。ここでも最新の科学技術が大変役立っています。どの米をいつ、どこのサイロから出し入れしたかは、すべて記録され、最終のお客様にお届けしたお米がどのようなお米であるのかトレース(追跡)できるようになっています。

■収穫後も化学薬品は使用不可。設備には水は使用できないので温度管理や掃除を注意を払っています

収穫後のお米は、虫やネズミなどに狙われます。おいしいお米ならなおさらです。オーガニックのお米は、貯蔵、精米工程においても化学薬品などの使用は認められていません。一旦、発生してしまった虫などを殺虫剤を使わずに処理するのはとても大変なことです。そこで、虫やネズミなどが発生しないように温度管理や掃除をきちんとしています。日々、細心の注意を払って作業を行っています。

また、お米の設備には水は使用できません。タンクの中にお米が残らないようにチェックすること、ライン上のコンベアやパイプなどは分解して掃除するなど手間のかかる作業を行っています。

■タンクに炭酸ガスを充填するということについて

常時行うことではありませんが、タンクに炭酸ガスを充填することがあります。これは、害虫の多くは田んぼに稲が生えている時にすでに、卵を産み付けています。ポストハーベスト(収穫後の薬品散布)はもちろん行いませんし、卵から虫が発生しても米自体、精米ラインにも薬品は使用できないので、あらかじめ二酸化炭素(食品対応レベル)を使用して害虫の卵を窒息死させる方法も採用しています。

■乾燥が終ったお米のその後の工程について

籾(もみ)の状態でサイロに保管します。グレインクーラーという特殊な冷却装置を使用し、温度を一定以下になるように保管し、出荷の前にサイロから出され、籾摺りをします。オーガニック・ギルドの有機米(あきたこまち)は、ランドバーグ農場からはすべて玄米で出荷されます。玄米を白米に精米するのは、福岡農産の有機認証を取得してある精米機を使って作られます。

■精米について:オーガニック・ギルド 有機白米

福岡農産(株)が、ランドバーグ農場から出荷されたあきたこまちを玄米で輸入し、精米しています。精米設備は、日本国内で最初に有機認証を取得した精米工場です。ランドバーグ農場同様、精米機の掃除には水は使用しません。化学薬品も一切使用しません。掃除は機械やラインを分解して行っています。

夏場の虫発生の対策としては、年に1~2回、特殊な機械で工場を高温にして、虫や卵を退治する作業を行っています。この作業には数日かかります。その間はラインが完全に停止する大変な作業ですが、安心できる有機米をご提供するために毎年改良を重ねながら続けています。